中野木の辻切り 4年ぶり

中野木地区の伝統行事「辻切り」が、初午の12日、八坂神社周辺で行われた。

画像=木の上に大蛇を掛ける住民ら

災いが入ってこないようにと、村の境となる2カ所に大蛇を掲げ無病息災を祈願する行事で、4年ぶりの開催。午後から住民らが同社に集まり、長さ5㍍ほどの大蛇2匹をワラで編んだ。その後、住民らが完成した大蛇を東西に分かれて運び、村の境とされる場所の木に掛けた。

見学していた前原中2年の吉原千晴さんは「この時期に軒先に小さい蛇が飾ってある家があって以前から気になっていた。教科書に載っていない、地元のこういう風土が残っているのがいい」と話した。

住民の小石桂三さん(60)は、「基盤となる農地の減少や高齢化で続けていくのが難しくなってきている。なくなると寂しいので、何とか続けていきたい」と話す。

50年ほど前には29軒の農家があったが、現在は7軒のみ。ワラの調達や、後継者問題に不安を抱えている。長年、「集落の絆を維持していくための行事」でもあった。地元の人々に守られてきた行事の継承に向けて模索していきたいと話している。