技術科の指導力向上へ 教員ら勉強会開き切磋琢磨

技術科の授業の向上を目的とした勉強会が2日、三山中であった。全国の教員らで作る「技術教育研究会」が年3回開く勉強会の一環で、今回は同校の技術室の環境が優れていると、全国から35人が見学に訪れた。

画像=木工室の工具について説明する本間教諭

同校で技術科を担当する本間一郎教諭(60)が校内を案内し、学習意欲を引き出すための工夫や、安全で使いやすい作業場にするためのアイデアなどを紹介した。参加者からは次々に質問が上がり、積極的に意見交換していた。

同研究会がこうした活動に力を入れる背景には技術科専門の教員不足がある。文科省が先月公表した調査結果で技術・家庭科の「技術」の授業を担当する教員の4人に1人は、技術の正規免許をもっていないことが分かった。全国の中学校約1万校に対し正規免許を持っている技術教員は7474人。その他は非常勤で複数校を兼務したり、他科目の教員が教えたりしているのが現状という。そのため授業の進め方など一人で悩む技術教員は多い。「一番影響を受けるのは生徒。こうして集まって教員が力をつけていく必要がある」と同研究会代表の尾高進さんは話す。

都内の中学校に勤務する笹倉千紗子さんは、「技術教師になって9年になるが、自分の中学校時代のかすかな記憶を頼りに、試行錯誤しながらやっている。こうやって集まって説明していただけてありがたい。授業に生かしたい」と感想を述べた。