校内に大人と話せる場を NPOが進める「居場所カフェ」

県船橋北高で先月14日、食品配布会があった。物価高騰に対する支援として食品を配布しつつ、高校生の悩みや不安を知らせてほしいと、アンケートへの協力も求めた。

画像=船橋北高で食品を配布する吉永さん(=写真中央)ら

高校生など若者の学校生活や就労・就学支援を行うNPOハイティーンズサポートちばが主催し、三咲本通り商店会などが協力した。食品はフードバンクふなばしなど6団体から提供を受けた。

同団体理事の吉永馨さん(70)は県船橋高定時制の元教諭。「若者らが学校や地域の大人たちとコミュニケーションを取る機会が失われていると感じている。高校生が気軽に大人へ悩みを相談する場所を作りたい」と話す。

同NPOは放課後に校内で生徒と地域の人らが交流する「校内居場所カフェ」を21年に市川市で初開催。その取り組みが広がり、現在、県内12校で実施されている。

吉永さんは船橋市内でも同カフェの開設を目指しており、この日の配布会がその第一歩になればと考えている。1時間ほどで米や菓子などを配布した。食品を受け取った同校の3年の女子生徒は「生理用品もあってうれしい。匿名アンケート内に悩みを記入できるのも相談しやすいと思う」と感想を。また別の生徒は「家族や友だちと配布された小分けの菓子などを交換したり分け合ったりできるのでコミュニケーションが取りやすくなる」と笑顔を見せた。

回答のあったアンケートでは、家庭の経済事情や友人関係の悩み、将来への不安などが書かれており、必要があれば公的な相談機関につないでいくという。

吉永さんは「じっくり関係を作っていって、アンケートから得た悩みや困難に寄り添っていける場所や仕組み作りに役立てていきたい」と熱意を込めた。