リスク知って備えを 市民文化ホールで防災フェア

船橋市民文化ホールで20日、「防災フェアふなばし」が行われ、会場には市民団体の展示ブースや地震体験車などが設けられた。

画像=講演会の様子

講演会では災害リスク評価研究所の松島康生氏が登壇。船橋で想定される地震への備えや水害対策、災害時の共助などについて解説した。松島氏は地震被害想定調査の想定分布から「皆さんが住んでいるエリアは6強が来るという前提での備えが必要」で、普段から付近を観察し、その場所のリスクを知ることが重要と話した。災害時の避難について、「場合によっては、遠くの避難所より、マンションなど近くの頑丈な建物に避難した方がいい場合もある」などと話し、地域で顔の見える関係作りの重要性などを挙げ、避難行動要支援者への助ける側、助けられる側に必要な知識について紹介した。

参加者からは、「災害時、自治会に入っていない若い人の安否確認や、どう助けをお願いするかが課題」「組織はあっても被災者になった時どう呼び掛けていくのか」という声も聞かれた。イベントに参加した二子町在住の田代憲三さん(76)は「町内でも防災訓練をしているが、地域を知り日ごろから備えることが大切だと思った」と話していた。

能登半島地震 被災地での活動報告も
講演会に先立ち能登半島地震の被災地に14日まで派遣された市職員の活動報告が行われた。発災10日後から石川県珠洲市で避難所運営に携わった危機管理課の稲垣成寿さん(55)は「被災者らのニーズが食料や水から入浴の希望や化粧水など生活用品へと変わっていった。避難所生活が長くなる場合がある。高齢者の多い地区で避難者の健康管理の重要性を改めて感じた」と話した。

市は来月中旬以降に保健師や管理栄養士などを現地に派遣するほか、公営住宅の提供などの支援を進めている。