二宮神社で神楽の舞 受け継がれる伝統

二宮神社(三山5)で15日、春の例祭が行われ、神楽が奉納された(=写真)。毎年1月と10月の例祭などで奉納されているが、コロナ禍で21年以降神事のみが行われており、春の例祭での神楽は4年ぶりとなった。

披露されたのは全16座のうち、翁舞、猿田舞、など9座。舞の途中で餅をまく山神悪鬼追散餅投舞もあった。平日にもかかわらず100人ほどの人が境内に集まった。久しぶりの春祭の開催に「当たり前にあった祭礼や神楽が戻ってきてうれしい」といった声が聞かれた。

神楽を伝承するのは、地元の30~70代のメンバーからなる同社神楽はやし連。代表の鈴木茂行さん(66)は、「皆さんに楽しんでいただけて良かった。今年は今まで以上に良い年になるようにという思いを込めて奉納した」と話す。

現在13人で毎週2時間ほど練習している。舞いもお囃子も、先輩から口伝で伝えられており、習得には長い年月がかかるという。

当日、下座で笛を吹く高校生の長谷部粋大さん(15)の姿があった。父・亮さん(44)が同連に所属していることから、子どもの頃から祭りは身近だったという粋大さん。積極的に他社を訪れ学ぶほどお囃子が好きで、すでに同社の15座の演奏ができるという。今年から主要メンバーとして参加することになった。これまで例祭への参加は基本的に成人以上としており、今回は異例の大抜擢。粋大さんは「早く出られるようにと思っていたのでうれしい。他と同じで後継者不足、自分が守っていきたい」と決意を語った。