習志野の女性史作り25年 総括集発行
習志野市内の女性の体験などを取材し記録してきた「習志野女性史聞き書きの会・史(ふみ)の会」がこのほど、その活動をまとめた冊子「史の会のあゆみ」を作った。メンバーの高齢化もあり、これを最後に25年の活動を終える。
画像=「史の会のあゆみ」作ったメンバーら
冊子は46ページのA5判。これまでの活動の経緯や会員の感想などをつづった。
同会は男女平等の意識がなかった時代の女性の取り巻く環境や生き方、考え方探ろうと1998年に発足。約10人のメンバーで明治から昭和初期を知る市民らを取材し、当時は表に出にくかった女性たちの声を集めてきた。
話の内容は戦中、戦後の生活や行商、開拓などさまざま。進学に関しては、反対され諦めたという人がいた一方で、親の勧めで教師や看護師の資格を取った人もおり、同じ時代でも家長の考え方次第で、異なる体験談が聞かれた。
「100人聞き書きすればその地域や時代が見えてくる」とこれまでに119人を取材し、第1~4集までにまとめた。
時間の流れを確認しながら話を聞き、時代背景や事実関係を資料で確認しながらまとめてきたと代表の佐藤りゑ子さん(81)。「しんどいことも多かったが、人生の3分の1を掛けて関わってきた。伝えていかなければという思いと仲間がいたからこそできた」と振り返る。
メンバーらが常に考えていたのは、「どうしたら、その人らしさが出るのか」。方言や会話の間など、話し手の息づかいが感じ取れるような文章を心掛けた。
メンバーの山西愛子さん(75)は取材を通して「思うように生きられなかったという人もいて、自分の生き方を問われているような気がした」と話す。
植松礼子さん(73)は「戦争の話を聞くことが多かった。今も他国では戦争が起きている。体験した人の言葉を後世へ伝えていくことが大事だと考え、続けてきた」と活動の意義を話す。
冊子は小中高校や図書館などに寄贈した。購入も可。問い合わせは℡(400)9718 同会 佐藤さん