郷土資料館の「デゴイチ」 設置50年

蒸気機関車D51が船橋市郷土資料館(薬円台4)に設置されて50年になることを記念したイベントが開催されている。同館で今月末まで現役時代の写真やパネルを展示している。

画像=吉野さん(左)と清水さん(右)

同館のD51は1938年製造の125号機で、1973年に市内の交通機関の歴史資料として国鉄から譲り受けたものという。

D51は主に貨物輸送に使われ、役目を終えた車両の多くは1970年代に全国の公園や公共施設などに展示用として提供された。県内には同館のものを含め6両、全国では170両ほどが保存されている。 デゴイチの愛称で親しまれファンも多いが、塗装など車体の維持に費用がかかる。屋根のない場所で展示している車体などよそでは腐食が進んでいるものもあるが、同館のものは保存状態が良いと、ファンの間で評判だという。

その理由にボランティア2人の存在がある。田喜野井在住の清水邦彦さん(78)は以前、飛行機整備の仕事をしていた。部品もそろっており、メンテナンスを続ければもっときれいになるとボランティアを申し出て、06年から週1回ほど同館の車体を整備している。来館者に喜んでもらおうと手作りする四季折々のヘッドマークは15種類ほどになった。

もう一人は前原在住で、子ども向けにミニSLを運行する「習志野鐵道倶楽部」のメンバー、吉野隆文さん(63)。同館のD51を図面を見なが観察していた吉野さんに清水さんが声を掛け、一緒に活動をしている。

整備が大変なのは乾燥し風で砂ぼこりが舞う冬から春にかけて。「大変な時もあるが、2人なので続けられる。週末に輝く姿を見るのがうれしい」と清水さん。吉野さんは「子どもたちが目を輝かせて説明を聞いてくれるのがやりがい」と話す。きょう11日は 「ミニSL乗車体験」。小学生以下対象。10時~12時、13時~15時。無料。