御嶽神社で50年ぶり結婚式

前原東の御嶽神社で約50年ぶりとなる結婚式が3日行われた。式を挙げたのは市川市在住の鈴木宏和さん(36)・幸恵さん(同)。50人ほどの参列者のほか、久しぶりの同社での挙式をひと目見ようと近隣から多くの住民が集まり、晴れ姿の新郎新婦を祝福した。二人は20年に結婚。「コロナ禍で式を挙げられなかった。きょうはこんなに多くの方に祝福して頂けるとは思わなかった」とほほ笑んだ。

画像=集まった住民らに祝福される鈴木さん夫妻

同社は延宝元年(1673)に鎮座。地域住民に親しまれてきたが、近年は二宮神社の宮司が兼務しており、祭礼などで訪れるのみで、「閑散としていた(地域住民)」という。

専任宮司を配置、地域に再び賑わいを
そこで、鎮座350年を機に昨年、初の専任の宮司を置いた。着任した鳥居南圭吾さん(45)は京都市出身。これまでに複数の神社で広報や企画に携わった経験を生かし、同社の再興や地域の活性化に尽力したいと取り組んでいる。

今回の挙式はその一環。地元の写真館と連携し、境内に撮影スタジオをオープンした。衣装の着脱と記念撮影が境内で完結するため、昨秋の七五三の時期のプレオープンでは親子連れに好評だったという。

結婚式を見に訪れた前原東在住の加瀬進子さん(79)は「50年前に友人がここで結婚式をした時のことを思い出した。こういう形で神社が復活してうれしい。宮司が来てくれて本当に良かった」と感想を話した。

鳥居南さんは、「神社は初宮参りや七五三など人生の節目に訪れる場所。これからも地域と共に神社が発展していけるよう尽力していきたい」と話している。