「現代の名工」に荒川さん クボタの鋳物工
卓越した技能を持つ職人を厚生労働省が表彰する「現代の名工」に、本紙エリアから、鋳物工の荒川正行さん(63)が選ばれた。
画像=鉄管の受け口の品質をチェックする荒川さん
小さな変化見極め45年 若い技術者に伝えつつ
荒川さんは、1978年、クボタ京葉工場の前身である久保田鉄工船橋工場に入社。45年にわたり、溶かした金属を型に流し込んで造形する「鋳造」の技術を磨き、主に水道管などの製造に携わってきた。
一報を受け「名誉ある賞を自分が本当にもらっていいのかなというのが最初あった。時間がたつにつれて、実感が湧いてきている」と喜びを語る。
水道管の鉄源はリサイクルされた鉄。成分にばらつきがあり、造形には「100本作れば100通りの条件があると言っても過言ではない」と話す。特に中大口径管造形のための見極めは業界随一。後進の育成にも尽力してきたことが認められた。
幼い頃から工作が好きで、将来は何かものづくりに携わりたいと思っていたという荒川さん。インフラを支える仕事にやりがいを感じている。入社した頃に比べ、設備の自動化が進んでいるが、「何か問題があったら自分の目で確認して、自分の手で調査することを大切にしている」。そうしたことを若い技術者に伝えつつ、日々の業務にあたっている。