新高根のたんぽぽ文庫 読み聞かせ活動40年

新高根公民館を拠点に活動する読み聞かせサークル「たんぽぽ文庫」が40周年を迎えた。公民館のほか、児童ホームや近隣の小学校にも出向くなど今も精力的に活動している。
 
8月18日、高根台子育て支援センターには親子ら18人が集まり、会メンバー手作りの小道具を使った人形劇やわらべ歌などを織り交ぜたおなはし会を楽しんでいた。

代表の川津敏子さん(76)が子育てを始めたころ、同地域には図書館や公民館が無かった。「子どもたちにいい本を提供したい」と、同じ思いの人たちと1983年に活動を始めた。

メンバーは60代~70代の女性8人。月1回ほどのおはなし会に向けて、事前に絵本の選出やリハーサルを行う。家庭にある端切れや段ボールなどを利用し本の内容に合わせた小道具を作り、既製品にはない温かみを心がけている。

「近頃は刺激の強いアニメや動画があふれている。本に親しみのない子どもも、実際に読み聞かせをすると何もないところから集中して考えているのが伝わってくる。その時の子どもの目の輝きや笑顔が続けられる理由」と川津さん。

おなはし会に2歳の子と参加した時田智子さん(40)は1年ほど前から参加しているという。「自分では選ばない本や大型の絵本など家とは違う本を読んでもらえるので貴重な機会」と話す。

0歳の子と参加した小林彩乃さん(38)は「いろいろな企画があるのが楽しい。同じくらいの歳の子と会える機会になるのもうれしい」と感想を。

川津さんは「親には、肉声で心の奥に呼び掛ける本を伝え、子どもには絵本を読む喜びを味わってもらいたい。本になじみの無い方を始め、より多くの方にいい本を手渡すため、活動で伝えていきたい」と話す。