保護者や教諭らが不登校考える講演会
不登校の子どもとの向き合い方を考える講演会「第一回親と教師の勉強会」が14日、船橋市勤労市民センター(本町4)で開催され、不登校の子を持つ保護者や学校関係者など60人が参加した。
画像=自らの経験を語る村上さん
不登校の子への対応など学校が主体となって頼れる情報を発信していこうと通信制高校の中山学園高等学校(本町3)が主催。福井誠校長(63)は「保護者と教員が同じ思いや考えで子どもの問題に向き合う必要があり、その一助となれば」と狙いを話す。
「選択の責任を負わないで」
講演会では不登校の相談や支援活動をしている村上好さんが自身の3人の子どもが不登校になった際の体験などについて話した。続いて、農作業や共同生活を通じ自立を促す支援学校「耕せにっぽん」(北海道)の東野昭彦代表が登壇。多くの不登校の子どもと接してきた経験から、「子どもの選択の責任を負わないこと」や、「結果ではなく過程に目を向ける」ことの重要性について語った。また東野さんは、学校は他と自分を比べる場ではなく、「人の気持ちを理解し、関われる人を見つけて居場所を作るところだと大人が伝えていく必要がある」と参加者に訴えた。
その後の質疑応答では不登校児童生徒との接し方について悩む教育関係者や、保護者らが次々に手を挙げた。教師の女性は「症状が発達障害による一次障害なのか二次障害なのかで対応を迷う」と悩みを。障害福祉施設職員の男性は「入所者に強迫性の行動を繰り返す方がいる。改善するには」と質問した。
東野さんは「本人が悲観的になりすぎないよう察しないことや笑いに変えるのがお勧め」と話した。
小学3年の息子の母という40代女性は「学校には行ったり行かなかったり。子どもには自立を促してきたが間違いでは無かったと自信がついた」と感想を。
福井校長は「問題を抱える子や保護者、対応に悩む教育関係者にとって一朝一夕で結果が出るとは言えないがこれからも続けていきたい」と抱負を述べた。