澁谷家一般公開に90人

鎌ケ谷市中佐津間1の旧澁谷家住宅の一般公開が先月から今月1日にかけてあり、計90人が見学した。

画像=主屋の説明を聞く参加者ら

澁谷家は江戸時代に佐津間村の名主を代々務め、明治時代には村長を輩出。幕末の維新志士、赤報隊で幹部として活躍した澁谷総司の生家でもある。文政9年(1826年)に建てられたという186平方㍍の主屋は、木造建築物としては市内で最も古い建物という。20年8月には、「国土の歴史的景観に寄与している」として、米蔵や門とともに国の登録有形文化財(建造物)に登録された。

昨年、市の所有になったことを受け、鎌ケ谷の歴史を知る上で重要な建物を未整備の状態で市民に見てもらおうと今回の見学会を企画した。「築200年のかやぶきで、これだけ大型の建物はもう残っていない。鎌ケ谷の歴史を知る上で重要な建物」と文化・スポーツ課担当者は話す。

見学会では、市職員や調査保存に携わる専門家が敷地内の石祠や木材の色の違いから分かる増減築の跡などについて解説。参加者らは1848年に描かれた家相図などの資料を手に熱心に聞き入っていた。同住宅は謎に包まれている部分も多く、今後、調査を進めていく。どのような意図で庭が作られていたかなどを調べ、植物の専門家により、当時の庭を復元する予定もあるという。

以前から同住宅に興味があったという市内在住の70代男性は「中を見られるとあって楽しみにしていた。こういう建物の維持管理は難しいと思うが、今後も機会を作ってほしい」と話す。東道野辺在住の50代女性は「利用価値を高めて人が来る場所にしてほしい」と話した。