「人」第2回絵と言葉のチカラ展でグランプリに輝いた石居麻耶さん

絵画に詩やエッセイなどの言葉を加えた作品の公募展。サクラの木のそばで遊ぶ子どもを描き、「雲の上はいつも、晴れ」「またこの桜を見たいという気持ちが再びの春へと心を向かわせます」などと言葉を添えた2点が最高の評価を受けた。

これまで公募展に出展したことはなかったが、同展の「心に響くかどうかを重視する」というコンセプトが自身の制作テーマと一致した。「春は希望に気付かせてもらえる季節。人生いろいろあった時に、常に変わらない希望がある。そんな希望を表現したかった」と話す。

葛飾中の出身。在学時は美術部で、思いを言葉にするのは苦手だったが絵に描くとうまく表現できた。その後、東京藝術大のデザイン科で学び、現在は画家、イラストレーターして活躍。装画を描く仕事も多く、市船橋を舞台にした文庫「20歳のソウル」の表紙は注目を集めた。

作品制作に共通するテーマは「明日へつなげる希望」。名所よりも身近なところを選び、日常の景色を描いている。今後も「希望を感じる、心に響くものを描いていきたい」という。
 
受賞作品は4月12日から松坂屋上野店のアートギャラリーで展示される。「絵に言葉が加わることで広がる、新しい何かを感じてもらいたい」。