同一個体のキアシシギ 12年連続で飛来

谷津干潟自然観察センター(秋津5)に同一個体のキアシシギ2羽が12年連続で飛来したことが確認された。

画像=12年連続飛来が確認されたキアシシギ「J2」(谷津干潟自然観察センター提供)

「J2」のタグ(標識)を付けた個体、「C6」のタグを付けた個体が今月に入り、来館者より飛来が報告された。

キアシシギはチドリ目シギ科で、体長約25センチ、黄色い足と胸や脇にしま模様があるのが特徴。2羽の足に付けられたタグは、11年9月に谷津干潟で渡り鳥の調査を目的に付けられ、翌年以降、毎年飛来が確認されてきた。

谷津干潟センター「国内でも珍しい」
同センターによると、天敵に襲われたり、劣化によりタグが外れてしまったりして、12年もの間、同一の個体を観察できるのは珍しい。さらに、同じ場所に2羽同時に連続して飛来した記録は国内でも珍しいという。

この2羽を含む群は、毎年7月末から8月に飛来している。

他国での確認情報がなく、どこから飛来し、どこへ行くのかは不明だが、毎年谷津干潟にやってくるのは「食べるものがあり、安心して休める場所として鳥たちが覚えている」ことが理由として考えられる。

キアシシギの最長寿命は約16年とされており、「今年はどうか」と2羽の飛来を楽しみにしている来館者も多いという。

同センターは施設から干潟までが近く、「小さな子どもも双眼鏡で鳥たちを探すことができる。ぜひ探してほしい」と話している。