地域防災に女性の力を

地域の防災力向上に女性の視点を生かそうと、船橋市は先月26日に女性を対象とした防災講座をスタートした。

避難所運営など参画 重要
災害時の行動など基本的な知識や、避難所運営、先進的な防災の取組みなどについて学ぶ全7回の初回。事前に申し込んだ20人が参加した。男性が中心となりがちな災害対応の中で、主体的に参画できる女性を育成するのが狙い。

この日は男女平等社会の実現を目指す「イコールネット仙台」の宗片恵美子さんが登壇。「東日本大震災では、地域に男性が少ない時間帯に災害が起きた。女性も地域の中での防災の担い手としてしっかり力を発揮する必要がある」と語り掛けた。

東日本大震災の避難所では授乳や着替え、生理用品の不足など、女性たちは特有の困難に直面した。これを受け船橋市では女性の視点を取れ入れた防災を進めようと、14年から看護師、保健師など各分野で活動する「防災女性モニター」から意見を聞くなどしてきた。一方で「地域に根差した人材が必要」との市民からの声があった。

参加者の一人で、宮城県出身の30代女性は「出身地があのようになって、災害が起きた場合に対応できる知識が欲しい」と参加を決めたという。自治防災部会に所属する50代女性は「築50年の集合住宅に住んでいる。高齢化している地域でいつ起こるかわからない災害時に活用できたら。ワークショップでは、年や経験が違う人と意見の交換ができたことが有意義だった」と受講後に感想を話した。

講座を運営する「船橋SLネットワーク」の平山優子常任理事は、「自分たちがどんなことに困るかが分かれば取り組みが進む。ボトムアップ型の防災を地域の人たちと作っていくことが、市全体の防災力アップにつながる」と語る。市危機管理課は「避難所で必要となるものなど、男性では気付かないことも多い。リーダー養成ではないが、災害時のマンパワーとしてサポートして頂ける方が一人でも増えれば」と話す。