JAいちかわ ひょう被害のナシ加工用に

県北西部で先月3日に降ったひょうの影響で本紙エリア内のナシ農家も被害を受けた。今後の収穫シーズンに、傷などにより規格外となるナシが多く出ることが予想され、市川市や船橋市(西船・行田周辺を除く)などを管轄するJAいちかわは、21日、今後の対応などについて説明した。

画像=ナシの被害状況を説明する染谷さん

ネット通販などに販路
「生産者になるべく負担がかからないよう対応していく」と今野博之理事長。規格外の果実を手数料なしで積極的に買い取り、「出荷基準外企画品」としてインターネットで販売するほか、各種イベントで販売する方針を示した。合わせて、飲料水や菓子などの加工用として、食品メーカーに受け入れを要請していく。

今後、同様のひょうが降ることを想定して、網目の細かい「多目的防災網」を設置するための助成を県や国に求めていくという。

今回の被害は柏井町(市川市)周辺で多く報告されており、隣接する船橋市や鎌ケ谷市の農家でも複数の被害があった。柏井梨農業組合の染谷幸弘組合長(65)は「親指大の角ばったひょうが降った。順調に育っており、ちょうど摘果作業を終えたばかりだった。9割強のナシが被害を受けた。このような被害は初めて」と肩を落とす。

実が大きくなる過程で傷の回復も期待できるため、「傷がついたものも育てて様子を見る。傷が残っても味は例年通りのものが提供できる」と話している。