美容師団体「ワンステップ」 発足10年
養護施設を訪れ ヘアカット
船橋市内の児童養護施設などを訪れ、子どもたちの髪を切る活動を続けている美容師のボランティア団体「One Step(ワンステップ)」が、発足から10年を迎えた。
画像=左から代表の丸井さん、美容師の加東さん、千羽さん
メンバーは県内に店を構える美容師ら約20人。市内の施設「恩寵園」(薬円台)には毎月1回、火曜日の午後に数人で訪問し子どもたちのカットやヘアケアを行なっている。
虐待や育児放棄を経験し、大人への警戒心を持つ子どももいる。外出しての散髪が難しい子どもを支援していたメンバーの提案で活動を始めた。
子どもたちの心和らげる役割も
心を和らげることができればと、代表の丸井教彰さん(49)。毎回レスラーのマスクを被って訪問している。活動を始めたころは距離感が難しかったが続けるうちに受け入れてもらえた。今では「レスラーが来たぞ」と子どもたちは大歓迎だ。コロナ禍で訪問できなかった時期も「ワンステップの人に切ってもらいたい」と、ほかで切らずに待っていたという。「それだけの信頼関係ができている。『継続はチカラになりカタチになる』をモットーに続けていきたい」と丸井さんは話す。
美容師の千羽浩司さん(43)は活動を通じて「子どもたちの気持ちに寄り添うことや、向き合い方を学ばせてもらっている。距離を作っているのは大人の方だったかな」と話す。交流を続ける中で「将来、美容師になりたい」という子の声がうれしかった。「うそーって。鳥肌立っちゃって。子どもたちの心に届くものがあったのではないか」と千羽さんは活動の喜びを話す。「大人になることをつまらなく思っている子も多いから、これから楽しいことたくさんあるよと伝えていきたい」という。