メディカルタウン構想 住民説明会に下流域住民ら122人

海老川上流地区「ふなばしメディカルタウン構想」を進める船橋市は、事業が下流域の治水に与える影響などに関する住民説明会を先月21日、22日に市消防局で開いた。2日間で延べ122人の市民らが参加した。

事業は1月の県の都市計画審議会で「治水への影響に関する検討を続け、住民への丁寧な説明を重ねること」との意見付きで可決。市は3月、地権者による海老川上流地区土地区画整理組合設立を認可している。大型プロジェクトが動き出した一方で、下流域の住民らからは、開発による洪水、浸水のリスクが高まると、反対の声が上がっている。

「早期にシミュレーション示す」と市
今回の説明会で市は、試算中の治水への影響のシミュレーション条件について説明。「千年に1度降るような」など最大規模の豪雨も想定し、「リスクを正確に把握したい。海老川下流域の河床掘削など、今後、県が実施する水害対策も反映させた内容のシミュレーションを早期に示したい」としている。

質疑応答では、「現状でも少しの雨で冠水する地域もあり、対応の順番が違うのではないか」、「シミュレーションの信ぴょう性は? 専門家による検討会を開くべきでは」などの意見が相次いだ。幼少期に浸水被害を体験したという年配男性は「心配でしょうがない。台風の時など災害が重なった場合をどう想定しているのか」と質問。これに市は「潮の干満もふまえた最悪の状態を想定している」と回答した。シミュレーションの発表時期について市は「不確定要素があり、問題が出た場合には対処しながらとなる。できるだけ早くしたい」と説明した。

現在、工事を始められる状態にあるが、「市としては次のシミュレーションが終わって、市民への説明会を開催するまで待ってほしい」と組合に要望しているという。市都市政策課は「行政としてなるべく不安を解消していきたい」。シミュレーションができ次第、改めて説明会を実施するという。