「人」チェロとトランペットの二刀流奏者 西方正輝さん
現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のBGMで、チェロを弾いている。主人公・北条義時の心情を表現する場面などで流れ、物語をより効果的に盛り上げる。収録は昨年末に短いものも含め60曲ほど。音楽監督のエバン・コール氏から「武士の気持ちを伝える役割」を託された。「チェロは高音、低音の幅が広く、人の声に近い。深い音色が出せる魅力的な楽器なのでぜひ耳を澄ませてほしい」と話す。
習台二小の4年生の時にオーケーストラ部に入った。やりたかったトランペットが空いておらず、チェロと出会った。楽器を弾くのは初めてだったが、「簡単」に感じた。東京藝術大で学び、22歳で若手チェリストの登竜門とされる「ビバホールチェロコンクール」で1位に輝いた。同大学卒業時にトランペットを始め、「クラシック以外のジャンルで演奏したい気持ちが湧いてきて、チェロを普通に弾く人から外れていった」。
現在はチェロとトランペットの二刀流でテレビや映画音楽で活躍。2つの楽器を扱うことで、「互いに影響を与え合うように、表現の幅が広がった」と話す。コンサートのバンドメンバーとしての依頼も増えた。
先月から路上演奏を始めた。「偶然通り掛かる人に生のチェロの音を届けたい。本当にすごい演奏は圧倒されて笑っちゃう。聞く人を笑顔にできるサウンドを提供したい」
今秋には県東総文化会館でのソロコンサートを予定している。