無理なく学校をサポート PTAに代わる塚田南小の保護者組織
学校生活や行事をサポートする塚田南小の保護者組織「ウインド」が今年1月から活動している。昨年開校した同小には、従来のPTAはない。「ウインド」はそれに代わる組織で教員を含まず、保護者のみで構成する「PA」。無理なく学校運営をサポートする仕組みづくりを目指している。
画像=「学校にポジティブに関わってほしい」と話す成瀬さん
共働き世帯の増加などで、PTAの半強制的な入会や活動参加を疑問視する声が全国的に広がっている。一方で「PTAは求められているから続いている仕組み。私たちも続けていくことを課題にやっていきたい」と同会代表の成瀬有さん(42)は学校と保護者の橋渡しをする役割の必要性を語る。
「強制はしたくないし、されたくない」。成瀬さんは、市場小で「おやじの会」の活動に長年携わってきた。校内の清掃や農園の整備など「できるメンバーができる時に集まり、子どもたちと一緒に楽しめた」という。この形をPTA同等の学校のサポーター組織に発展できないか―。塚田南小初の行事となった昨年5月の運動会で、運営をサポートするボランティアを募集した。すると想定以上の約80人の手が上がった。「このやり方でいける」と手応えを感じた。会の発足に向けアンケートをしたところ、保護者の9割が入会の意思を示した。会員特典はなく、加入していなくても活動には自由参加できる。
多くのPTAの懸案の一つに会費がある。そこで同会は当面、会費を徴収しないことにした。費用がかかる催しを開催する場合は総会で決議し、都度集金する仕組み。活動資金は地域や企業からの寄付を受けるなどして捻出したいと考えている。具体的な活動内容は今後決めていく。「読み聞かせをする図書サークルや、クラスサークルなどがあってもいい。親同士の連携が深まれば子どもたちのためにもなり、学校活性化につながる。いろいろな形でコミュニケーションを取ってもらって少しでも学校に興味を持ってもらえたら」