二重川泳ぐこいのぼり 子どもが安全に遊べる水辺を
船橋市北部を流れる二重川にかかる高野橋と八木が谷橋の側では、毎年この時期になると小学生が描いたこいのぼりが気持ちよさげに泳いでいる。
画像=和気あいあいワイヤーを通す会メンバー
二重川からほど近い八木が谷北小の1年生の児童が描いているもので、橋に飾られるようになって10年ほどが経ち、地域の風物詩となっている。
かつての二重川は不法投棄などで汚れ、悪臭もあり「ドブ川」と呼ばれていた。子どもたちが安心して遊べる水辺を、と07年に地域住民らで「二重川に親しむ会」を設立し、ゴミ拾いや草刈り、花壇の整備などに取り組んだ。その結果、数年後には水質も改善し、散策を楽しめるまでになった。「この川にも何かイベントがあったら」と縫製が得意なメンバーが布を縫ってこいのぼりを作り、絵付けを同小に依頼したのが始まりという。
14日、高野台自治会館にメンバーが集まり、こいのぼりにワイヤーやひもを取り付ける作業を行っていた。今年はこれまでに制作されたこいのぼりに、新たに60匹が加わり、計300匹を超えるこいのぼりが川辺を泳ぐという。
古くなって、飾れなくなったものもあるが、子どもたちの思いが詰まっているから捨てられないとメンバーら。「同じものは一つとしてない。子どもも地域の人もみんな喜んでくれてうれしい」と作業していた。
代表を務める藤本千恵子さん(78)は「地域との関わりが少なくなっている時代。こういうことを通じて地域と学校がつながることが大事。子どもたちが描くことに意義がある」。会員の高齢化が進んでいるが、子どもたちが安心して遊べる場所を守っていきたいと話している。こいのぼりはあす24日、取り付け予定。