就労支援施設「ふくろう珈琲」時代に合った就労を
塚田駅から徒歩5分ほどの住宅街に、自家焙煎コーヒーを販売する障害者就労支援施設「ふくろう珈琲」がある。
以前から福祉に携わっていた植草啓士郎さん(35)と、弟の悠さん(30)が20年にオープンした施設で、現在、障害のある10人ほどが豆のより分けや焙煎作業にあたっている。
画像=店の前に立つ植草悠さん
きっかけは市川市役所の障がい者支援課で働いていた悠さんが、障害者就労の現場を目にしたこと。「一生懸命働いているのに工賃がすごく安い。なんとかできないか」と、放課後デイサービス事業に携わっていた啓士郎さんに相談した。就労継続支援「B型」は継続的な就労が難しい人が対象。工賃月額の全国平均は1万6千円(20年度)で、「このままでは障がい者の自立につながらない」と悠さん。啓士郎さんも「障がいを持った子どもの将来のためにも時代に合った就労を」と支援の形を模索した。そこで思いついたのが悠さんが趣味でやっていたコーヒーの焙煎。「網で焼く作業なら利用者もできる」と、二人で店を経営することにした。
スタッフへの工賃は月5万円以上を目標にしている。付加価値の高い商品を提供しようと豆の品質に気をつかい、ブラジルやペルーの農家から直接仕入れているという。
現在、2店舗目のオープンにむけて準備をしている。「工賃を上げるため、販路を広げていかなければ。利用者の一般就労にもつなげていけたら」と悠さんは話している。
行田1-45-17/10~17時/水曜定休/℡(460)9261