白飯顔に盛り 大仏追善供養
大仏の顔や肩に白飯を盛る大仏追善供養が先月28日、不動院(本町3)で行われた。漁業組合関係者や地元住民ら約30人が参加した。
画像=顔に白飯を付ける女性
1824年、漁場の境界を巡る争いの末、漁師総代2人が入獄により亡くなったことを機に、1825年から災害や海難事故で亡くなった人も合わせて供養している。
獄中の食の乏しさを償うため、白飯を盛るようになったとされる。伝承によればこの釈迦如来坐像は1746年の津波によって溺死した人の供養のために建立されたものとされている。
参加者は一人ずつ線香を手向けたあと、炊き立ての白米を大仏の顔につけた。参加した女性は「供養のおかげか、去年は風邪を引かなかった」と話した。
同院住職は、「魚介の献上から代銭納に変わったことや、漁場の争いごとでその時代はよほど民が疲弊していたのではないか」と話す。