「パートナー制度」16日施行 船橋市が認定
同性カップルの関係を公的に認める「ふなばしパートナーシップ宣誓制度」が16日、船橋市で始まる。お互いを人生のパートナーとして協力することを宣誓した性的少数者(LGBT)らに対し、市がそれを認める証明書を交付する。1日から事前受け付けが開始された。
導入の趣旨は性の多様性への理解を促すもので、市が掲げる「自分らしく輝けるまち」の実現を目指すこと。同様の制度の導入状況を集計している市民有志団体「みんなのパートナーシップ制度」によると、県内市町村での導入は4例目。
現状では、LGBT当事者は2人で住むための住宅が借りられない、病院で相方の病状の説明を受けられないといった制約や差別を受けているとの指摘がある。
証明書の裏面に「市民や事業者の皆様には、このパートナーシップの趣旨を十分にご理解いただき、ご協力くださいますようお願いいたします」との文言を記載。親族関係の形成や税金の控除といった法律上の効果はないが、証明書の提示により民間企業や住民などから理解を得られやすくなることが期待される。
条件は1人以上が市内在住か転入予定で、独身であることなど。通称の使用も可能だ。書類の確認や宣誓日時の調整のため、市役所内の市民協働課に事前連絡する必要がある。
導入まで5年 当事者も奮闘
同制度の導入を巡っては、船橋市議会で長く議論が交わされたほか、LGBT当事者の奮闘があった。
市議会では16年12月、超党派の「船橋市LGBT・性の多様性を考える議員連盟」が発足。19年頃にも制度化の動きがあったが、議会内には慎重な意見もあり、当時は導入に至らなかった。
他方、20年12月の市議会定例会では当事者の市民らが制度導入に関する陳情を提出。本会議で可決され、同議連は翌月、導入を求める要望書を辻恭介副市長に提出した。
同議連幹事長の石川亮市議(41)は「陳情が一つの契機になった。大きな目標を達成し、本当に安堵した。施行されてから分かることもあるので、利用状況をしっかり見て、課題を抽出して改善につなげていきたい」と語った。