「新湾岸道路」整備促進、県と6市が国交相に要望
千葉県北西部の慢性的な交通渋滞の解消と地域活性化、国際競争力の強化を目的とした「新たな湾岸道路」の整備促進について、熊谷俊人県知事と地元の6市長が2日にオンライン会議を開き、赤羽一嘉国土交通大臣へ要望した。
画像=要望活動は県庁、各市役所、国交省をつなぐオンライン形式で実施された
要望書では、市川市の高谷ジャンクション周辺から千葉市中央区の蘇我インターチェンジ、市原市の市原インターチェンジ周辺までの湾岸部における自動車専用道路として、速やかに「計画段階評価」に着手し早期に計画の具体化を図ること、ルートや構造は環境に配慮すること、道路関係予算の増額と確保などを求めた。
会議は冒頭を除き非公開。熊谷知事は終了後に取材に応じ、赤羽大臣は同道路の必要性を十分に理解し、県、沿線市と一体となって進めていく方針を示したという。
「三番瀬再生計画との整合性を」
船橋市都市計画課によると、松戸徹市長は「船橋は(東京湾最奥部の干潟)三番瀬が重要。県三番瀬再生計画との整合性のとれた道路にしてもらいたい」と要望。習志野市都市政策課の担当者は、宮本泰介市長が谷津干潟の環境への配慮、眺望への配慮を求めたと説明した。
湾岸地区の道路をめぐっては古くから構想があったが、01年に当選した堂本暁子知事が三番瀬の埋め立てを白紙撤回し、「第二東京湾岸道路」の整備が事実上凍結された経緯がある。現在も自然環境への影響を懸念する声があり、船橋などでは根強く反対している地元住民もいる。
県と6市は今回、「新たな湾岸道路」との名称を用い、再生計画との整合性、地域の生活環境に配慮した計画とすることなどを要望書に盛り込んでいる。