松戸徹氏3選市政継続 船橋市長選挙

船橋市長選挙で3選を果たした松戸徹氏(66)が21日、市役所に初登庁した。

画像=船橋市役所前で花束を掲げる松戸徹氏

午前10時ごろ、市役所正面玄関に自動車で乗り付けた松戸氏は支援者と職員らに迎えられ、渡された花束を高く掲げた。感染症対策のため小規模のセレモニーとし、足早に庁内へ。1、2期目の当選後に行った幹部職員らへのあいさつも今回は省略した。

任期満了に伴う同市長選は、現職と新人2人の三つ巴戦となり、20日に投開票された。松戸氏は2期8年の実績や、争点となった医療と健康をテーマとした区画整理事業「メディカルタウン構想」の実現などを訴え、安定した戦いぶりで次点に4倍近くとなる8万票以上の差をつけ圧勝。2新人は支持が広がらなかった。

投票率微増も28%台
投票率は28・88%。過去最低だった17年の28・10%をわずかに上回ったが、今回も有権者の7割超が棄権し、市民の「市政離れ」が深刻な現状も改めて浮き彫りとなった。

同日程の市議会議員補欠選挙は過去最多の11新人によって1議席が争われ、佐藤亜美氏(27)が初当選した。

◆船橋市長選挙=選管確定
松戸徹 109019 無現③
丸山慎一 27744 無新
門田正則 11045 無新

「生活を支えたい」
21日午後、松戸氏は記者団の取材に応じた。投票率の低迷を「残念」としつつも、初めて10万票以上を得票したことについては「それぞれの有権者の考え方次第だが、地域に出向き、状況を見ながら言葉を交わしてきた。市長を市民に近い存在にしたい思いがあった。今後の取り組みにも一定の期待を持っていただけたのでは」と分析した。

新型コロナウイルス対策については、基礎疾患のある市民へのワクチン接種券の送付や段階的な受け付け、複数の会場を新設する集団接種を用いて柔軟に進める考えを示した。公約で掲げたメディカルタウン構想に伴う市医療センターの移転も進めたいと明言した。市独自の児童相談所は設計から建設に入り、26年4月の開設を目指す。

「きょうも市民の皆さんが窓口に来ている。それぞれの分野で、どこを濃く、薄くではなく、生活をしっかり支えていきたい」。一方で福祉の経費が年々増加し、厳しさを増す台所事情から行財政改革の必要性に触れ、「単に市民サービスをカットする意味ではなく、事務の効率化など工夫をして示したい」とした。

市内で予定されている米体操選手団の東京五輪事前合宿は「オリンピックをやるのであれば」とした上で、「アメリカから正式に要請が来ており、現段階で向こうは準備を進めている。移動や宿泊先、PCR検査などについて細かく詰めている」と現状を話した。