「佐藤春夫と太宰治」西図書館で企画展
作家の佐藤春夫(1892~1964年)と太宰治(1909~48年)をテーマにした企画展が船橋市西図書館(西船1)のギャラリーで始まった。
画像=太宰が書いた全長4㍍の手紙などを展示している
太宰は1935年から1年余りの間、船橋に滞在し執筆活動を行ったことで知られるが、同時期に佐藤と知り合い、師弟として交流を深めた。展示の目玉は、設立当初の芥川賞を受賞したいと執着した太宰が、同賞選考委員だった佐藤に宛てた全長4㍍の「嘆願書」だ。船橋で書かれたもので、手紙として最上級の礼儀を示す格式となっている。書き損じは一切なく、下書きを重ねた上で清書したとみられる。両者の人間関係がこじれたこともあったが、佐藤は先に没した太宰が故郷で評判を落としていたことに心を痛め、名誉回復に努めたという。
その他、約20点の貴重な史料や解説パネルなどを掲示している。
同館によると、19年に実施した太宰展が好評で、新たに企画した。専門家の河野龍也氏(実践女子大教授)の協力を得て、船橋ゆかりの文豪らの人物像と魅力に迫ろうと工夫した。司書の岡本絵美さん(44)は「エピソードや交流関係を紹介することで、作品にも興味を持ってもらえれば」と話す。
9時半~20時(土日祝は17時)、無料。9月26日まで。