銀行跡地住民の「庭」に 袖ケ浦のにぎわい拠点を
団地内に新たな地域コミュニティーを作ろうと、袖ケ浦3の千葉銀行跡地を活用する取り組みが始まった。
画像=交流会の様子。地元の自治会、商店会なども参加し意見交換が行われた
「ジョインスポット袖ケ浦」と命名された同施設。リモートでの仕事、読書、手芸、試験勉強など、さまざまな目的で幅広い世代が利用している。市民の協力で人工芝を敷くなど「庭」をイメージし、屋外にはキッチンカーの出店もある。
余白を残し、住民の声を聴きながら
施設はUR都市機構などの管理業を行う日本総合住生活(JS)が所有。同銀行の移転に伴い20年1月から空き物件となっていた。JS事業計画課の石垣曜子副長(45)によると、コロナ禍で地域にいる市民が増えたことで、団地内にも多くの用途に対応できる「コワーキングスペース」のニーズがあるのではと考え、同社の新規事業としてスタートした。時代の変化を踏まえた上で、団地の中心に位置する施設として、「余白を残し、住民の声を聴きながら一緒にやっていく」と柔軟に対応して育てていく方針だ。
袖ケ浦2、3丁目にはURの戸数が2990戸あるが、高齢化が進み、住環境の再構築が課題となっている。URが習志野市と協定を結び、多様な世代の共生と魅力向上を目指すモデル地区としていることも背景にある。
今月5日には街づくりをテーマにした交流会が開催され、地元の住民、学生など約30人が参加。「市民祭りの『習志野きらっと』とは違う祭りはどうか」「本をきっかけにした地域づくりは」「認知症カフェを開こう」など、さまざまなアイデアが出された。
JSの菅谷和真さん(29)は「個人としてコンテンツを持っている方が多い。点を線に、線を面にしていきたい。我々が潤滑油になれれば」と意欲を語る。