きりがみコンクール 古和釜中の横井さん大賞
第12回アンデルセン公園きりがみコンクール(船橋市公園協会主催)で、古和釜中3年の横井友裕さん(14)が最高賞の「きりがみ大賞」に輝いた。市内中学生が最高賞を受賞したのは3度目。横井さんの作品を含む入賞作品などは16日まで、同公園子ども美術館で展示されている。
画像=大賞に輝いた作品「沈んでいく娘」
今回は41都道府県から1933点の応募があった。先月25日に同館で表彰式があり、横井さんは「思ってもみなかったこと」と喜びを語った。
受賞作の題は「沈んでいく娘」。デンマークの作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話「パンを踏んだ娘」のシーンを切り紙で表現した。作家が「高慢で、見えっぱり」と表現した少女の上半身はあえて描かず、悲しい運命とその後の希望を感じさせる抽象度の高い作品だ。審査員の一人で造形作家の下中菜穂氏は「アンデルセンの物語の持っている明るい怖さが感じられ、さまざまな思索に誘われる」と講評した。
有名な「人魚姫」「裸の王様」ではなく同作品を切り紙の題材にした理由は「少女が印象に残った」から。横井さんの家族は「幼少期、同館のアトリエでよく遊んだ経験が生きたのでは」と語った。
同コンクールは、アンデルセンが切り紙の名手だったことから09年にスタート。応募数は年々増えており、デンマークと日本をつなぐ文化を広く伝えている。