市民の声「反映」8% 船橋市議会アンケート調査
船橋市議会は3月定例会で、昨年実施した市民アンケート調査の結果を報告した。報告書によると、市民の声が反映されていると思うかを問う質問では「思う」が8%、「思わない」33・8%、「わからない」が55・8%。大半の有権者にとって遠い存在であることが浮き彫りとなり、市議会は調査結果を基に、今後の取り組みを模索する。
アンケートは同市議会が初めて実施したもので、昨年6~7月、住民基本台帳から抽出した18歳以上の3千人を対象に郵送で行った。有効回答は41・8%の1255人。直近の19年船橋市議会議員選挙の投票率が34・34%と低迷し、市民と市議会の間に距離があるとの危機感から、調査を実施した。報告書は市議会ホームページからダウンロードできる。
「1割未満だったのは衝撃的だった」。市議会広報委員会は、市民の声が反映されていると考える人が8%という結果に頭を抱える。他方、市議会への関心については、「ある」「少しある」を合わせ50・2%。市民の半数は関心を持っていることも明らかになった。
市議会の会議を傍聴、またはネット中継で見たことがある人は合わせても1割に満たず、「見たり聞いたりしたことがない」が86・9%。市議の活動内容を問う質問では「知っている」が27・1%、「知らない」が67・4%だった。
自治体の首長と議会は対等の関係にあることから、市議会には一義的に「行政(市長)のチェック」が求められるが、議員への要望を問う質問では5番目の23・8%だった。要望は多い方から「地域の課題解決力」56・3%、「住民の意見を吸い上げる」53・5%。
自由意見欄では、懸案である交通渋滞など道路事情の改善を求める意見が多かった。「議会が何をやっているかわからない」「国政と比較するとメディアに取り上げられることが少なく、関心が向かない」といった声も。一方、子どもの誕生を機にチェックしていきたいとの声もあった。
広報委員長の津曲俊明市議(43)は「市民と議員の間にずれがある。議員が頑張っていても市民に刺さっているかは別」と分析する。活動の実態が浸透していないことは議員らも認識しており、率直な声を受け「これを起爆剤として広報、広聴の改善につなげたい」と話す。
アンケート結果への回答は十数項目にまとめ、順次ウェブなどで発信する予定だ。「血の通った回答を」と準備を進めている。