「人」今春卒業する子どもに向けた思い出イベントを企画 榎本美紅さん
今春卒業を迎える鎌ケ谷市の小・中学生を対象に、映像と音楽を用いたプロジェクションマッピングの上映会を企画した。学校行事の中止が相次ぎ、「寂しい思いをした子どもたちが笑顔になれる思い出作りを手伝いたい」。
船橋市内で生まれ育ち、英語教師などを経て、23歳で長男を出産。母親同士の交流会をきっかけに、「もっとママたちがつながれる情報の提供を」と、鎌ケ谷を中心とした支援団体「アイルゴー」を12年に設立した。以降、「ニコカマフェス」などさまざまなイベントを開催。子育て世代を応援してきた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年はイベント開催を断念。子どもたちを取り巻く環境も好転しなかった。悲しむ子の声や「子どもなのに諦めが良い姿」に胸を痛めた。
市の子育て支援コーディネーターでもある立場から、学校や行政に今後の対応策などを調査。「難しい状況なのでなかなか動けないのもわかる。こんなときは民間の出番。私には動ける、挑戦できるという強みがある」。一昨年に鎌ケ谷市庁舎で行われたイベントでのプロジェクションマッピングに目を付けた。野外では不特定多数の人が集まるため、会場を屋内に。思い出の詰まった写真や映像を映し出すという内容だ。
「自分たちで作りあげる経験も楽しんでほしい」という呼び掛けに地元の小学6年、中学3年の6人が集った。千葉商科大の学生や地元サポーターの協力を得ながら映像を制作。鎌ケ谷きらりホールでの上映に向けて準備を進めてきた。だが、緊急事態宣言の延長を受け、上映の延期を決断した。
小学6年の息子と小学4年の娘を育てるシングルマザー。「子どもの成長で、イベントへの関わり方も変わってくるかもしれない」と少し寂しげに話しながらも、上映会の実施に向けて挑戦を続けている。