「習志野隕石」公開 県立中央博物館で来年2月末まで
習志野市と船橋市に落ちた隕石を公開するミニトピックス展「習志野隕石」が、10日に千葉県立中央博物館(千葉市)で始まった。来年2月末まで。
画像=解説する高橋さん。パネル展示では分析で明らかになった隕石の岩石学的な性質についても紹介している
7月2日未明、関東地方の上空に火球が目撃され、習志野、船橋両市で隕石の落下が確認された。これらが今月1日、「習志野隕石」として正式に国際隕石学会に登録されたことを受け、科学分析を行った国立科学博物館(東京都台東区)とともに、実物を展示するもの。県立中央博物館の担当者、高橋直樹さん(60)は「普段は意識しない宇宙が私たちとつながっていることを実感してもらえたら」と来場を呼び掛ける。
「習志野隕石1号」「2号」は大きさ約5~7㌢で半分に割れており、同館で展示するのは右側部分。見どころは「大気との摩擦熱で溶けた後に急冷して黒くなった表面と、割れたから見える中身の違い」など。鉄分を含むため「激しいさび」も特徴だ。
火球は、アマチュア天文家の観測網「ソノタコネットワーク」によって観測されていた。「千葉県北西部に隕石が落ちた可能性がある」との報道の後、「私が拾ったのは隕石ではないか」という電話が同館に相次いだ。継続して隕石を探している人もおり、いまだ関心は高い。
高橋さんは習志野市在住。隕石が最初に発見されたマンションは近所だった。連絡を受け、半信半疑で現地に向かったが、見てすぐに「わ、これは本物かも」と直感し、その日のうちに科学博物館に運んだという。「隕石が誰にも当たらなくてよかった」と安堵しつつ、「住宅地に落ちたことで早く発見でき、フレッシュな隕石を届けることができた」と喜ぶ。
観測から経路が解析され、予想された落下地点から実際に隕石が発見されたのは国内では初めてのことで、「大変貴重な事例」。すでに母天体小惑星の候補も3つ挙げられており、「地球や太陽系の誕生の謎を解明する一つの材料となる」という。
同展では、千葉県で最初に発見された「芝山隕石」(1969年)も展示されている。
10時~16時半。休館は月曜(祝日は開館し翌日休館)と年末年始。入場料500円~250円(12月15日以降300円~150円)。℡043(265)3111同館