「異彩探訪」ナイフ1本で食材装飾

初富駅から徒歩3分。大正堂薬局の2階にある「レイズドリーム」で開催されている「ベジフルカッティング教室」が人気だ。

画像=カッティング技法を指導する武さん。

果物や野菜をナイフ1本で、芸術的に装飾するカット技術を学ぶもので、先月31日に開かれた教室では「花」をテーマに参加者らがトマトやリンゴなどの食材にナイフをあて、バラやガーベラに模していた。

職人芸のようだが「器用か否かは関係ない。コツがある」と話すのは同店主で、日本野菜ソムリエ協会認定ベジフルカッティングプロフェッショナル講師の武ふみ子さん(63)。「カッティングの目的は見た目を美しくし食べやすくすること」。よりおいしそうに見せることで果物が不足しがちな人が手を伸ばすきっかけにもなるという。

教室は基本を学ぶ体験レッスン(3千円)から、上級者向けまで。「何か技術を習得したいが物を増やしたくない」という高齢者や、持ち寄りの食事会で重宝されるなど、受講の動機はさまざまだ。カッティングに向く食材は「熟し過ぎず、味や形が良く、身近なもの。集めるのに苦労することもある」と武さんは笑う。皮をクリスマスツリーに見立てるなど、食材を無駄にしないのも特徴だ。

店のオープンは16年。武さんが長年の会社勤めと子育てを終え野菜ソムリエとして活動していたころ、同薬局を経営する友人の山口礼子さん(69)から「2階で何かやってみない」と声がかかった。「大人の女性がゆっくりできる店を作りたい」。店名にはそんな2人の思いが込められている。

鎌ケ谷市南初富6の1の17大正堂ビル2階。11時半~16時。日曜・月曜・祝日定休(年末年始も)。野菜出汁のランチなどの食事、紅茶の提供ほか、ギャラリー展示も。