下水のコロナ量測定 船橋市、金沢大と協力

船橋市は新型コロナウイルス対策の一環として、12日、高瀬・西浦下水処理場に流入する下水に含まれるウイルス調査の連携協定を金沢大学の本多了准教授と結んだ。期間は21年3月末まで。

画像=処理場で下水を採水する市職員

市下水道河川計画課によると、ウイルス量を調査することで流域の感染者数を推測できる可能性が海外の研究で指摘されており、日本水環境学会の専門チームが複数の自治体に協力を要請。市は6月から、両処理場で週2日、1回250㍉㍑を採水、冷凍保存してきたという。処理場の区域内の感染者データも併せて大学に提供することで、ウイルスの測定値と実際の感染者数の相関関係を分析する。市は陽性者が多かった7、8月の調査結果に注視するほか、次の「波」に備えるため研究に協力していく方針だ。

協定に基づく調査研究は、同学会に参加する金沢大と民間事業者が共同で実施。結果次第では無症状者を含めた感染状況の全体像を把握し、感染拡大の兆候を予測できるようになる可能性があるという。