23年廃校の金杉台中 保護者説明会で質疑
23年に金杉台中(金杉台1)を閉校し、御滝中(金杉6)と統合する方針を決定した船橋市教育委員会は、21・22年度に中学に進む子を持つ保護者らを対象とした説明会を開催した。
画像=金杉台小で行われた保護者説明会。保護者、市教委職員、教員らが質疑を交わした
在学中の統合に「不安」も
説明会は4日、金杉台小体育館で行われ、24人が参加した。在学中に学校が統合することへの不安の声が保護者から上がり、市教委への質問が相次いだ。
現在、小学5、6年生で金杉台中の指定学区に住む児童は、同中に入学し、23年の統合時に御滝中へ転校することが原則となっているが、申請すれば御滝中に1年次から通えるように変更できる。
市教委のアンケート調査では、金杉台中の指定学区と選択地域の小学5、6年生のうち、御滝中への進学希望は77%で、金杉台中は3%。「わからない、検討中、これから考える」は8%で、決めかねている保護者も1割近くいる。
学習については、進み方や成績、内申に差が出ないよう教育課程を調整。統合前に生徒の交流を行うほか、転入生の環境の変化について学校全体で「心のケア」を行い、支援していく考えを市教委は示す。
金杉台中は団地に囲まれた立地で、少子化により生徒数が減り、現在は全校生徒数62人。学区を変更しても増加に転じる見込みはなく、市教委は3月に統合の方針を決めた。野球部員が1人だけの年もあり、部活動への影響も少なくないという。
一方、御滝中は生徒数884人。小学6年の男児がいる父親(42)は、取材に「御滝中に行かせるなら1年生から行かせたい。3年生のときに統合して、他の生徒と仲良くなれるかどうか」と答えた。市教委が統合についての詳細を示すのが遅いという保護者の意見もあり、「2年後の話ではなく、あと2カ月でどちらの中学に行くかを決めなくてはいけない問題」「10月なのに決まっていないことが多過ぎる。決めるなら早くしてほしい」との声も聞かれた。
質疑では、参加者から「途中から大規模な学校に行かせるのは不安がある」「キャパシティーに余裕はあるのか」といった声が上がった。小規模校と比較し、教員の目が届きにくくなることでいじめを懸念する意見も出た。市教委は、大規模校は生徒数に応じて教員の数も多いとし、「いじめはあってはならないが、どの学校でも起こりうる。未然予防、早期発見、早期対応を心掛け、組織的に対応している」などと回答した。
少人数の教育環境にも良さがあり、新型コロナウイルスの流行で状況が変わったため、金杉台中を残した方が良いとの意見もあった。市教委は「感染症対策マニュアルで予防していく」とした。