中学校で部活再開

本紙エリア3市の中学校は15日から順次、部活動を再開した。各部の特性に基づいた新型コロナウイルス対策を取りながら、段階的に活動を戻していく方針だ。各市教委は感染症と熱中症への対策を徹底し、長期休校による体力低下を考慮した活動再開を各校に呼び掛けている。対外試合は7月末まで行わない。

画像=チューブを使って練習する宮本中柔道部の選手ら

宮本中柔道部は、15日に練習を再開した。「近付いちゃダメだって。距離を取って」と杉川努顧問(29)は指示を出す。全日本柔道連盟の方針に即し、「相手と組まない練習」を導入。2㍍ほど離れて2人1組になり、帯やチューブで負荷を掛け、投げの動作を繰り返した。

競技の特性考慮し練習
女子部長の太田真代さん(3年)は3カ月半ぶりの部活に「きょうはきつかった。私は柔道が好きなので毎日練習したい」。男子の山田昂生主将(同)は「規制があっても練習を再開できてうれしい。休みが長かったので、基礎から始めるのはいいと思う」と汗をぬぐった。競技の特性上、「試合はしばらく難しいだろう。コロナとうまく付き合っていく他はない」と杉川顧問。

バスケットボール競技も接触を避けた内容の練習を始めた。ドリブルなど「その場でできる練習」が主で、パスなどは当面行わない。
船橋市バスケットボール協会の中学校専門部は「今までやっていなかった技術を教えたり、動画を撮って教員間で情報を共有するなど、模索している」と現状を説明する。

屋内で密集することが多い文化部も、細心の注意を払いながら活動を始めた。習志野五中の吹奏楽部は現在50人の部員がいる。1日交代で活動し、楽器の吹き回しはせず、近距離で演奏しないといったルールを設けて練習を再開した。
3月の全日本アンサンブルコンテストに出場する予定だった中村若菜さん(同)は、中止のショックから休校中は楽器を持つ気にならなかったが、「久々にフルートを吹いて、唯一自由になれる時間だと気付いた。またコンテストがあるなら全国出場を目指したい」と前を向く。
中山岳顧問(45)は「生徒は相当我慢してきた。心の声を聴いて、一緒に部活を作っていきたい」。換気のために窓を開けなければいけないが、音漏れに関して近隣住人の理解があり、応援を受けていると感謝する。