花の名前AIが判定 千葉工大開発のアプリ人気
千葉工大の人工知能・ソフトウェア技術研究センター(STAIR)が開発した、画像から植物の花の名前を判定するソフト「ハナノナ」が人気になっている。
複数の画像サンプルを学習した人工知能(AI)が、色や形などの特徴から花の名前を特定するソフトで、散歩の途中に気になった花があればその場で撮影し名前を知ることができる。従来のブラウザ版を強化したアプリ版を4月から配信したところ、これまでに27万5千ダウンロードがあった。開発した同センターの竹内彰一教授(66=写真)は「コロナ禍による外出自粛で散歩需要が増えたため」と推測する。
開発にあたり「人間の知能をコンピューターに再現させることは、研究者として実現したいテーマだった」と竹内教授。もともと植物に詳しかったわけではないが、「花は種類も豊富で季節が変われば新たに咲く。より多くの人に身近に使ってもらえるはず」と開発に着手した。
AIに学習させるためのサンプル画像は1種類あたり700枚ほど。合計で約35万枚の花の写真をひとりで集めた。
試験的に自宅前に咲いていたツルニチニチソウを撮影し、AIに判定させたところ、正しく花の名が表示され、うれしくなった。「名前がわかれば愛着が湧く」と感動を覚えた。
現在、識別できる種類は約770品種。アジサイなど種類が枝分かれしているポピュラーな花の判別が難しいが、今後さらに精度を高め、種類も増やす予定だ。
竹内教授は「沖縄を除く国内平地には約1300種類の花がある。手紙やSNSに花の名前を入れれば文学的になるし、俳句も表現が深まる。新しい花を探して散歩を楽しんでもらいたい」と話している。