船橋市 補正予算 コロナ対策に12億円
船橋市は新型コロナウイルスへの緊急対策として、約12億円の20年度一般会計補正予算を21日に発表し、専決処分した。「ドライブスルー方式」のPCR検査の導入、家庭学習の環境整備、中小企業への賃料助成など、感染拡大防止策と市民生活への支援を強化する。
補正予算の総額は11億9538万円。歳入は市の貯金にあたる財政調整基金から10億848万円を繰り入れ、残りは国庫支出金を充てる。歳出は商工費6億8220万円、衛生費3億5450万円、教育費1億1158万円、民生費4710万円。
車内検査、事業者への助成盛り込む
医療体制の充実を図る施策では、ドライブスルー方式によるPCR検査外来を21日に開設。これまでの1日平均40件に加え、12件ほど検査数を増やせるという。従来通り、保健所などから検査が必要とされた人が対象となる。医療機関の病床確保、帰国者・接触者外来への支援も強化する。軽症者と無症状者の療養先として市が独自にホテルを借り上げる取り組みについては、近日中に市医師会と合同で発表する。
休校の長期化を受け、通信環境が整っていない家庭へのパソコン、タブレット、ルーターの貸し出しも行う。学習ドリルソフトの活用を想定し、受験を控える中学3年生に優先して1780台の貸与を見込む。機器は包括協定を結んでいる千葉工大から市に寄贈されたものや、学校にある端末などを利用する。
補正予算の6割近くを占めるのが、飲食店をはじめとした中小企業と個人事業主への家賃の助成だ。今年2月以降に1カ月の売り上げが3分の1以上減少しているか、減少する見込みの事業者が対象。国の制度が2分の1以上の減少を条件とするのに対し、より幅広く利用できるようにした。助成額は月額の3分の2、上限は1カ月あたり10万円。対象月は4月と5月。商工振興課は「人が来なくても店舗の家賃は固定費として掛かる。スピード感を持って27日から受け付けを始め、早ければ大型連休明けに振り込みたい」としている。
社会保険労務士や中小企業診断士が対応する臨時相談窓口も新たに設ける。場所は市勤労市民センターを想定し、来月12日に開設する予定だ。