新型コロナ 県内 NPОも苦境
NPO法人ちば市民活動・市民事業サポートクラブ(牧野昌子代表理事)、公益財団法人ちばのWA地域づくり基金(関谷昇理事長)の2団体は、千葉県内のNPO法人や市民活動団体に対し、新型コロナウイルスの感染拡大で2月~3月中に受けた影響についてのアンケート調査を実施し、その結果をまとめた要望書を15日、森田健作県知事に提出した。
県内ではおよそ2千のNPO法人、任意団体などが地域や社会のさまざまな課題解決を目指し活動しており、その多くが、感染拡大により活動の停止や縮小を余儀なくされている。中には企業や個人事業主と同じく家賃や人件費の確保に苦慮している団体もあるが、公的な支援の対象から外されるケースも生じている。「困っていると伝えないと行政の認識が変わらない。意見を出すには根拠が必要」(担当者)と、現場の声をまとめ、支援を要望する動きが全国的に広まっている。
「経営上の影響」 4割
アンケート調査では、福祉、子ども、環境といった幅広い活動団体のうち9割が「コロナの影響を受けている」、4割以上が「経営上の影響を受けている」と回答した。具体的な金額を示した70団体における被害額は平均170万円、最大で2千万円。対人支援や対面販売を行う団体は、マスクなど、物資の不足に関する不安を抱える傾向が見らた。
エレベーターがない集合住宅の住民を階段昇降機で外出支援する団体など、「命の継続に直結する活動も多く、長期間、自粛することで利用者に及ぶ影響を心配する声も多数寄せられている」と担当者。「それぞれが専門的な知識や技術を持っており、一度失うと、代わりとなる存在を作ることが困難になる。持続的な活動のために、行政の支援は不可欠だ」と訴える。
この動きを受け、当初はNPO法人が支援対象外だった「持続化給付金」が国から支給されるなど、変化も見られ、県の休業補償の対応などにも注目が集まっている。また、不登校の子どもを支援するNPO法人ネモネット(習志野市)など、オンラインでの活動に切り替えた団体もあり、成功例を参考に「オンラインでの活動をどう支援するか」が次の課題という。