プロ野球ドラフト会議 船橋、鎌ケ谷出身3選手 プロへ 元中部ユの津留崎 楽天が3位指名
17日に都内で開かれたプロ野球新人選手選択(ドラフト)会議で、野球が盛んな本紙エリアで育った3選手が球団から指名を受け、夢だったプロ野球選手になる。鎌ケ谷市出身で少年野球チーム中部ユニオンズに所属していた津留崎大成投手(22)は3位で東北楽天ゴールデンイーグルスに。船橋市の学童野球チーム習志野台ワンパクズ、大穴中出身の長岡秀樹内野手(18)は5位で東京ヤクルトスワローズに、八木が谷中、市船橋高出身の望月大希投手(21)は5位指名で北海道日本ハムファイターズへ入団する。
努力すればプロになれる
津留崎は慶応大の中継ぎ投手。ドラフト会議では、「正直、こんなに早く呼ばれるとは思わず、ボーっとしていたのでびっくりした。どこの球団でも頑張ろうと思っていた。選んでくれて感謝している」と顔をほころばせる。
身長177㌢はプロ選手としては決して大きくないが、「でかいエンジンを積む努力をして、出力を上げてきた」と語る通り、最速153㌔の速球を武器とする。球団スカウトからは馬力のある投球と、縦の変化球で空振りを取れる投手と評価を受けた。
野球選手だった兄・大地さん(24)に憧れ、6歳で中部ユニオンズに入団。小学生のころからプロ選手になるのが夢だった。指導した稲垣裕一監督(56)は「4年生のときに打撃投手をやらせてみたら6年生が打てなかった。打撃も良く、足も速い。何百人と見てきた中で、ずばぬけていた」と素質を感じていた。
鎌二中に進学後は佐倉リトルシニアで活躍。慶応義塾高3年で肘の再建手術を受けたが、入念なケアと筋力や可動性のトレーニングで、いまは「万全」と胸を張る。
「最初のキャンプから1軍に参加するのが当面の目標。少しでも多くのアウトを取って、勝利に貢献したい」と津留崎。「身長が高くなくても努力をすればプロになれるんだよ、と子どもたちに伝えたい」と話す。
長岡 「走攻守で魅了する選手に」
長岡は八千代松陰高のリードオフマンとして今夏の県大会準優勝に貢献した。ドラフトでは「5巡目に入ったので、もう呼ばれないかと思った。指名して頂けるだけで光栄」と話す。遊撃手としてスローイングの正確性と力強さには自信があり、スカウトからは「グラブの中に吸い込むようにボールを取っている」と表現され、攻守で評価された。
小学1年のときに習志野台ワンパクズに入り、「練習の8割は守備で、鍛えられた」。当時を知る野田昌克監督(64)は「内野の要。走攻守のバランスに優れていたし、負けたくないという気持ちが強い選手だった」と振り返る。大穴中在学時には船橋選抜チームで全国制覇を経験した。
プロ入りは「不安しかない。守備も打撃も走塁も今のままでは通用しないとわかっている。練習しかない」。憧れの今宮健太(ソフトバンク)を念頭に、「観客を魅了する選手」を目指す。
望月 難病乗り越え表舞台へ
望月は187㌢の長身を生かした右投手。最速は146㌔だが、角度があり「球速以上のものを感じる」と球団から評価された。縦に割れるカーブも武器だ。
流山の野球一家に生まれ、10歳で船橋に転入した。八木が谷中3年の春、当時監督だった倉前喜一教諭が望月を遊撃手から投手へコンバート。県総体3位まで勝ち進み、投げる楽しさを知った。市船橋高3年の夏に、県大会で初戦敗退の屈辱も味わった。創価大に進学後、難病の「IgA腎症」を発症したが治癒し、4年生の今期はエースとしてチームを牽引。闘病から「現状を知り、立場を受け入れる。現実逃避をしない」という心構えが身についた。
「1日でも早く1軍に上がり、北海道でチームの日本一に貢献したい」と抱負を語る。