船橋競馬 石崎隆之騎手 引退「できすぎな騎手人生だった」
地方競馬で史上3位の通算6269勝(ほか中央74勝)をあげた船橋競馬の石崎隆之騎手(63)の引退式が15日、同競馬場で行われた。
「昨年7月に病気で半月ほど入院し、馬に乗らなくなって筋力も落ちた。歳も歳だし、この辺で辞めようと決断した。最高で、できすぎな騎手人生だった」
北海道で生まれ、1973年に船橋競馬でデビュー。87年から通算10回の全国最多勝を獲得。地方競馬全国協会(NAR)グランプリでは90年から13年連続で最優秀騎手賞に輝いた。
引退式直前の第7競走では長男の駿騎手(35)が勝利を飾り、スタンドが沸いた。今後は競馬に関わらないと語る一方で、「(船橋競馬には)どんどん盛り上がってもらいたい。近くに住んでいるから応援したいというか、心配になると思う」と親心を見せた。
「石崎、ありがとう」―。セレモニーでファンから何度も向けられる声援に、寡黙な名手は目頭を光らせた。セレモニー終了後、妻の恵子さんは「免許更新の書類を眺めて悩む姿を見て、声を掛けられなかった。出さなかったときに、辞めるんだなと思った。まじめで仕事一筋。ありがとう、お疲れさま、と伝えたい」と夫をねぎらった。