市医療センター 手術支援ロボ導入 医療の標準化、船橋にも

船橋市立医療センター(金杉1)は7月に、内視鏡手術ロボット「ダビンチ」を導入し、9月末までに5件の前立腺がん手術を行った。
ロボット支援手術は胃がんや大腸がんなど、活用が広がりつつある。県内では12病院にダビンチの別機種が導入されている。
同センターは地域がん診療連携拠点病院に指定されており、年間70件ほどの前立腺がん手術を行っている。導入したロボットは前立腺がんに特化したもので、費用は約1億8千万円。
ダビンチは米国製で、カメラを備えたアームを医師が手元の立体映像を見ながら遠隔操作する。臓器の裏側など複雑な場所にある腫瘍を切除することが可能で、小さな穴を複数カ所開けるだけで済むため出血が少なく、入院期間も短縮できるという。
泌尿器科の佐藤信夫部長(65)は「従来の手術は神業的な技術が必要だったが、ダビンチは直感的に操作できるので習得が早く安全。10倍ズームや手ぶれ防止機能もあり、手術の精度が上がるので、医療の標準化が図られる」。手術は遠隔操作を行うメーンの医師と、補助の2人による「3人のチーム」で行う必要がある。現在は千葉大から指導医を迎え、経験を積んでいる。
「検診で早期がんが見つかった人が、船橋で最先端の治療が受けられるよう頑張っていきたい」と佐藤部長。同センター総務課は「患者さんの体への負担が少ない治療が行えること、新しい機器を操作できる医師を養成できるのが病院としてのメリット」としている。