増える女性バス運転手 育児制度やAT導入で働きやすい環境に
高齢化などバス運転手不足を背景に「女性運転手」の採用が増えている。京成バス株式会社は3年前から船橋駅北口と船橋法典駅を結ぶ「行田団地線」を女性運転手をメーンとする路線として、現在3人の女性従業員を配置している。買い物客や子連れの母親などの利用が多いため、「物腰の柔らかい女性運転士」が喜ばれているという。
そのうちの一人、大平典子さん(45)は入社4年目の運転手。2児の母で、「子どもが大きくなり、働きたいと思っていたとき、バス運転士の募集を見かけ」、応募した。
身長151㌢の大平さん。大型車の運転に興味はあったものの、旧車のペダルに足が届かなかった。また、体重が軽く、シートベルトをしているにもかかわらず警告音が鳴り、「米俵でも持って乗りましょうか、と冗談を言っていた」と採用当時を振り返る。 父親と娘ほど年の離れたベテラン運転手から助言を受けながら、運転のコツや車両整備を学んだという。
同社は15年から女性運転手の積極採用を進めており、現在51人が活躍している。女性が働きやすい環境を作ろうと女性専用の休憩所やトイレを設置したほか、運転しやすいオートマチック車を導入。また「育児短時間ダイヤ制度」や妊娠6週目以降から利用できる「マタニティー休職制度」も実施している。
大平さんは「働きやすい職場。これからも目的地まで安全に送り届けていきたい」と話す。同社総務の石田梢さんによると「業界全体的に見ても女性運転士を増やす傾向にある」という。
「若者の車離れもあり、ドライバーは高年齢化している」と同社市川営業所小林弘次長。「今後は女性運転士100人を目指し、積極的に採用していきたい」と話した。