元幕内・阿夢露 断髪式 ケガの克服 「トレーナーとして伝えたい」
夏場所で引退した大相撲・阿武松部屋(鷺沼5)の元幕内、阿夢露(34=本名イワノフ・ニコライ・ユーリィビッチ)の断髪式が16日、千葉市内のホテルで行われた。習志野や全国の後援会関係者ら160人がはさみを入れ、最後は師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)が大いちょうを切り落とした。
「16年間、相撲だけをやっていたのでさびしい」。自身の軌跡を歌詞とした相撲甚句を聴くと、こらえていた涙がほおを伝った。阿武松親方は「諦めずへこたれず、食らいついて相撲界を渡っていった。まじめなロシアの青年を幕内まで引っ張り上げてくれたみなさんに感謝したい」とあいさつした。
ロシア極東のレソザボーツク出身。日本人である義兄の勧めで角界入りし、02年夏場所に初土俵。度重なるケガを乗り越え、14年九州場所で外国出身力士としては最も遅い初土俵から74場所かけての新入幕を果たした。最高位は東前頭5枚目。
現在は同部屋を住まいに、船橋の日本語学校に通いながらスポーツトレーナー資格の取得を目指している。「漢字をもっと勉強したい。自分はケガが多かったので、トレーナーとして選手に経験を教えられれば」と意欲を語る。