仏の教えを身近に 海神・大覚院  「あかもん講座 」 16年で100回

 

仏教の教えをわかりやすく解説し、日々の生活に役立ててもらおうと、02年に大覚院(海神6)で始まった「あかもん仏教講座」が来月、第100回の節目を迎える。
原則は座学で、参加費は1回500円。お茶を飲みながら2時間ほど講師の話に耳を傾ける。 「お釈迦さまってどんな人」「死ぬということ」「仏教の視点で『人を裁くこと』を考える」…。
同院住職の堀正幸さん(58)は「各階ごとに商品が異なる百貨店のように」と、仏教にまつわる経済や音楽、俳句、ときには「ふりかけ」など毎回、異なるテーマを取り上げてきた。小難しいと思われがちな仏教も、身近な話題にすることで「興味を抱いてもらえたら」という。
開催は奇数月の日曜。参加者の多くは檀家など寺院と特別なつながりのない人たちだ。5月の回には13人が参加した。この日の講座は米ケ崎町にある無量寺の住職菅野朋如さん(43)を講師に、全600巻ある経典「大般若経(だいはんにゃきょう)」をテーマにした。菅野さんは経典をアコーディオンのようにして風を起こす「転読会(てんどくえ)」について紹介。ご利益があると言われる風を受けた参加者たちは笑顔になった。
 「普段はやらないことをやって、気持ちを穏やかにする時間」が日常を良いものにする、と堀さん。参加者の顔が「来たときと帰るときで違う」のを見るとやりがいを感じるという。
10年以上講座に通う女性は「ここで得た知識がふとした時に生かされる。印象に残る回が多くて飽きない」と感想を話す。別の女性は「私は『千里の道を三歩ずつ―苦しみって何なんじゃい』の回が良かったわ」としみじみ。初参加の男性は「同じ目線の高さで話してくれる。これぞ街の寺」と話していた。
次回は7月8日10時から新本堂の「上棟法要・工匠の儀」。9時45分から餅引換券(限定100枚)を配布。第100回の参加費は無料。℡(431)6489同院