体操全日本V 飛躍の谷川  次はNHK杯 「また挑戦者の気持ちで」

 

法田中、市船橋高出身で、順天堂大2年の体操選手、谷川翔(19・順大)が先月末に行われた全日本個人総合選手権で史上最年少優勝を果たした。172・496点をたたき出し、絶対的エース内村航平の11連覇を阻止。2位の白井健三には0・332点差をつけた。現在は19~20日のNHK杯に向け、汗を流している。
「今までは絶対に勝てないと決めつけていたところがあった。今回勝つことができたが、次は内村さんも健三くんもノーミスでやってくる。負けたくない」
柔軟性を生かした180度の開脚や着地の美しさが強み。「今は34・1。世界と戦うことを考えると全然足りない。あと1点上げたい」と演技価値点(Dスコア)の上乗せを課題とし、2年後に迫った東京五輪の日本代表も視野に入れる。
小学1年で体操を始めた。共に切磋琢磨してきた兄の航(21・順大)は2学年下の弟を「こだわりが強く、一つのことを極めないと気が済まない。優勝は予想外ではなかった」と評する。
谷川は昨年、腰のケガに苦しんだ。「地味なトレーニングばかりだった。体操をできる幸せを知り、身が入った」と声を弾ませる。今季からのルール改正は追い風ともいわれる。「いま良い位置にいるのはわかっているが、考え過ぎると気負ってしまう。全日本の前を思い出して、挑戦者の気持ちで自分の演技を楽しくやりたい」

(写真=8日、順大さくらキャンパスで汗を流す谷川)