貝類の成長速度に着目 飛ノ台史跡公園博物館で企画展

貝殻の化石などから船橋の海の変化を知ってもらおうという企画展示が飛ノ台史跡公園博物館で行われている。

画像=船橋だけでもさまざまな貝が生息していたことがわかる。過去の豊かな自然を感じてほしいと話す畑山さん

同館学芸員の畑山智史さん(39)の貝類の成長に関する研究と合わせ、同館所蔵の化石100種を展示している。絶滅種のトウキョウホタテやキオロシアサリなど貴重なものもある。

畑山さんの研究は縄文時代に2度の寒冷期があったことをハマグリの化石の模様から証明したもので、昨年10月にあった日本文化財科学会で賞を受けた。畑山さんによると、貝類の成長速度は寒暖によって変わり、年輪のように刻まれた貝殻の模様から、過去の海水温を知ることができるという。

縄文時代の貝塚の3割は県内にあるが、船橋は1万年前の取掛西貝塚や8千年前の飛ノ台貝塚などがあり、時代ごとの連続した情報を得られる特別な地域という。「そうした地元の海のこれまでとこれからの変化に改めて注目してほしい」と話す。

「江戸前の新名物」として近年、人気のあるホンビノス貝はここ数年の成長が鈍くなってきているという。実際、17年をピークに水揚げ量が減ってきており、海の環境が変化している可能性がある。また地球の温暖化に関し「今後の予測はできないが、ある程度の周期性はあるので、これから私たちがどのような環境で社会を続けていくのか、想像しながら見ていただければ」と話している。
 
展示は17日まで。