「人」鎌ケ谷市の臨時職員として働くナセドキナ・オルガさん

ロシアによるウクライナ侵攻が始まった時、家族とキーウで暮らしていた。二人の息子を連れ西に向かったが、もはや国内に安全な場所はなかった。ポーランドを経由し昨年7月に日本へ。鎌ケ谷市営の住宅で暮らし、現在は市の臨時職員として週3日働いている。「本当に幸運だった。日本に来てこのような仕事を頂けると思っていなかったので、本当にうれしかった」と振り返る。

母国の現状や子育て事情についての講演、小学校での外国語指導助手(ALT)のほか、2月からは、市の広報紙「広報かまがや」でコラムを執筆している。文章を読んだ二人の子どもが通う保育園の保護者から声を掛けられる。オルガさんのことが分かった、何か手助けができないかと反響も大きいという。

夫や両親は母国に留まっておりSNSで頻繫に連絡を取っているが、不安は尽きない。知人の多くが戦場におり、夫が動員される可能性もある。先月、中央公民館で集まった市民ら20人に向け母国の現状や自身の思いを語った。「今何が起きているのかを日本の人々に伝えることが私の使命。追い詰められ戦うしかない私たちの気持ちを察してほしい」と訴える。

日本などに避難している同胞と協力し、「母国のためにできることは何でもしたい」と家族の無事と戦争の終結を祈っている。