紙芝居の魅力伝えて 図書館で読み聞かせ育成講座

紙芝居を読み聞かせる時のコツを伝授する市民向け講座が先月23日、船橋市東図書館で行われ14人が参加した。

画像=次の場面へ移る時の「抜き」について説明する橋口さん

「昔懐かしいもの」と思われがちな紙芝居の魅力を改めて知ってもらおうと同館が企画。
児童図書などを出版する童心社編集部の橋口英二郎さん(56)を講師に招き開催した。絵本や童話などの読み聞かせボランティア育成講座はこれまでも随時開いてきたが、「紙芝居」に特化したものは同館初の試みという。

講座で橋口さんは「一つの場面で、一つの動作しか描けないが、それが何を示すのか誰が見ても一目でわかる」などと紙芝居の特徴を解説。「次のページへ移る『間』が子どもの創造力を育み、子どもたちが積極的な受け身で参加できる」と紙芝居の魅力を語り、実演を交えて特有の間の楽しみ方、紙を抜くスピードやタイミングの違いによる印象の違いなどを紹介した。

受講者の多くが、「今まで持っていた紙芝居のイメージと違っていた」と口にした。市内で学校司書を務めている志村さつきさん(59)は「絵本と紙芝居の違いがよく分かった。学校には紙芝居と舞台がある。子どもたちと一緒に楽しみたい」と感想を話した。 紙芝居は「懐かしい」という印象を持たれがちだが、現在も毎月新刊が発行されている現在進行形のもの。その魅力が、演じ手を介して伝わればと橋口さんは話す。

同館の杉山智弘館長は「今後、紙芝居が読み聞かせの選択肢の一つとなれば。書籍もデジタル化している今、紙の良さも改めて伝わるのでないか」と意義を語る。