LGBT向けのスーツ専門店 市役所近くに誕生

LGBT向けのオーダースーツ店「ファブリックレインボー」が先月、船橋市役所近くのビル内にオープンした。

画像=「お客の思いに応えるのがプロ」と話す井出社長

取材に訪れると、「分かりにくかったでしょう。来店する方のプライバシーを考慮してここにしたんです」と、井出俊信社長(45)が出迎えてくれた。

県内でオーダースーツ店を営んできた井出社長。約4年前、ある新聞記事に胸を痛めた。職場でLGBTと明かした相手にその事実を広められ、ショックから自殺した人がいるという内容だった。「え? なんで?」と怒り、憤りを覚えた。

「自分らしい服、ニーズに応えたい」
「自分らしく生きられず、命が失われる。スーツ屋として何かできないか」―。人づてに当事者たちの思いを聞いた。女性として生まれ、性自認が男性の人の場合、紳士スーツでは肩幅や着丈が合わない。「自分らしい服が着たいというニーズに応えたい」。2時間単位の予約制で、仕上がりまでは約1カ月。価格は5万円台から。一般的なオーダー品と変わりはない。

「宗教的にカミングアウトが難しい国籍の方々もいる。いずれは英語や中国語に対応できるサービスを提供したい。日本でも、ジェンダーへの理解が進んだ働きやすい企業が増えてほしい」